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◎弁護士コラム◎ハードルが高い!物に対する慰謝料(弁護士:勝野照章)

2021年5月14日

コラム

日常生活の中でも慰謝料という言葉を耳にすることがあります。

最近では、芸能人の不倫のニュースで「妻からは不倫相手に対して慰謝料が請求できます。」といったコメンテーターの意見が紹介されていました。

この慰謝料というもの、実は私たち法律家でも扱いが難しい概念です。

慰謝料とは、簡単に言うと「あなたの行為によって私はこれだけ辛い思いをしました。もし、お金でこの辛い思いを回復できるとしたら○○円です。」というものです。

しかし、不倫された場合の精神的苦痛の程度は人によって異なるでしょうし、ましてや「いくらだったら回復できます。」なんていえないはずです。

それでも、精神的苦痛を慰謝するための賠償は原則お金となりますので、裁判では「今回の事例では○○円の慰謝料となります。」との判断が出ますし、私達も類似の事例について裁判例に従った処理をしているのです。

 

このような慰謝料について、交通事故の被害者から「修理費用以外に、車が壊れたことに対する慰謝料を請求したい。」といわれることがあります。

交通事故の被害者は、加害者に対し、主に①怪我に対する損害賠償(人損)と②車や衣服など物に対する損害賠償(物損)を請求できます。

しばしば交通事故において慰謝料を請求できると言うのは人損に含まれる損害項目です。

「私は事故で怪我をして、この怪我のせいでこれだけ辛い思いをしました。この辛い思いを金銭で賠償させてください。」というものです。

それでは、同じように物損の慰謝料は請求できるのでしょうか。

上記と同じように説明するならば「私は事故で愛車が壊れてしまい、とても辛い思いをしています。この辛い思いを金銭で賠償させてください。」というものです。

 

おかしくない請求だと思いますが、相談者がこのような主張をするたび、私は「それは原則できません。」と答えています。

続けて、「もし、あなたの車が日本に数台しかない希少な車であるとか、同車種の車と比較して特別な特徴があるとか、何か特別な思い入れのある車という場合には検討します。」と説明しています。

ほとんどの人は「そこまでの事情はありません。」といい、諦めてしまいます。

 

物損の慰謝料は、過去の裁判例で「被害者の愛情利益や精神的平穏を強く害するような特段の事情が存することが必要」と説明されています。

これは車だけでなく、物の損害全般に当てはまる考えですが、物損の慰謝料は認められるためのハードルが高く、更に、もし認められたとしてもその慰謝料額は人損と比較して低くなる場合が多いのです。

 

怪我に対する辛い思いは認められやすく、物が壊されたことによる辛い思いは認められにくいというのは理解し難い部分がありますが、いつか最高裁判所においてその根拠や判断の基準を明確にしてもらいたいと思う次第です。

 

執筆弁護士について

弁護士 勝野 照章

一新総合法律事務所 弁護士
 勝野 照章

一新総合法律事務所 長野事務所所属。2015年弁護士登録。
これまでに、相続人多数で特別受益・寄与分・相続財産の使い込みなど様々な問題のある遺産分割、高額物件の保全処分、税務紛争、死亡又は重い後遺障害が伴った交通事故訴訟など、複雑で専門的な紛争解決を多数扱い解決してきました。
刑事事件では、平成31年2月に無罪判決(確定)を獲得し、その他、少年鑑別所送致の阻止、示談などの弁護活動による不起訴処分など全力で依頼者の利益を追求してきました。
依頼者に寄り添い、最善の結果を出せるよう誠心誠意対応します。よろしくお願いいたします。

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