事務所からの最新情報や法律に関する情報をご紹介します。
2023年11月21日
コラム
2023年10月にJAF(日本自動車連盟)が、信号機のない横断歩道における車の一時停止率に関する調査結果(2023年版)を公表しました。
この調査によると、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時に、車が一時停止する割合の都道府県別トップは昨年に引き続き長野県(84.4%)、ワーストは新潟県(23.2%)ということでした。
パッと見ると、この調査結果は新潟県民の運転マナーが悪く、長野県民の運転マナーがよいことを示すように思えますが、果たしてそうでしょうか。
社会人になって以降、新潟県と長野県でそれぞれ約6年生活してきた私の感覚からしますと、たしかに長野県では信号機のない横断歩道で一時停止してくれる車が多い印象を持っていますが、新潟県民と長野県民の運転マナーや意識にそこまで大きな違いがあるようには思えません(むしろ有名な「松本走り」に象徴されるように、長野県内でも運転マナーの悪い方は一定数いらっしゃいます)。
あくまでも私の仮説ですが、隣県である長野県と新潟県でこれほどまでに差が開いた背景には、両県の道路事情が影響しているように感じます。
私がよく車で行き来する長野市や松本市などの長野県の都市部では、新潟県の都市部に比べて狭い道路が多くあるため、必然的に信号機のない横断歩道で横断待ちをしている歩行者との遭遇率が高くなり、一時停止の習慣が自然と刷り込まれてきます。一方、新潟県の都市部では広い道路が多く、信号機のない横断歩道との遭遇率がそもそも低いので、一時停止の習慣が定着しないというわけです。恥ずかしながら私自身も、新潟県に住んでいるときは今よりも一時停止の意識が薄かったです。
この仮説を検証するには、都道府県別の信号機のない横断歩道の数や、調査を行った地域の特性などを精査する必要がありますが、いずれにせよ道路事情が一時停止義務違反を正当化する理由になるわけではないので、こうした調査結果の公表をきっかけに、新潟県でも一時停止に対する意識が一層高まっていくとよいと思います。
【ご注意】
◆記事の内容については、執筆当時の法令及び情報に基づく一般論であり、個別具体的な事情によっては、異なる結論になる可能性もございます。ご相談や法律的な判断については、個別に相談ください。
◆当事務所は、本サイト上で提供している情報に関していかなる保証もするものではありません。本サイトの利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当事務所は一切の責任を負いません。
◆本サイト上に記載されている情報やURLは予告なしに変更、削除することがあります。情報の変更および削除によって何らかの損害が発生したとしても、当事務所は一切責任を負いません。