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ガソリン価格が高い?!

2026年1月28日

コラム

長野県はガソリン価格が高い?

令和7年の長野県民の車保有率は、1世帯当たり1.532台であり、全国第6位と高順位となっています。

面積の大きい長野県内で生活をしていくためには、車は必須のアイテムと言っても過言ではないかもしれません。

そんな中で、以前から、長野県のガソリン価格は他県と比べて高いと言われていました。

私は、過去群馬県に居住していたことがあり、その際、群馬県内のガソリン価格は、長野県内のそれよりもかなり安かったと記憶しています。


そういった、長野県のガソリン価格が他県と比べて高いのは、全国に比べて輸送コストがかかるほか、販売量が少ないサービスステーション(SS)やSS過疎地(SSが3か所以下の市町村)が多いこと、中山間地域が多く灯油配達コストの負担が大きいなど、様々な要因から経営コストが押し上げられ価格転嫁が進んでいること、積極的な価格競争に耐えられる余裕がないことなどが理由であると理解されてきました。

明らかになったガソリン価格調整の実態

ところが、昨年、長野県のガソリン価格調整(カルテル)に関する疑惑の報道がなされました。


長野県のガソリン価格のカルテル問題を巡る経緯は、以下の通りです。

時系列経 緯
2025年2月5日           長野県石油商業組合の加盟事業者による価格調整に関する疑惑を信濃毎日新聞が報道。
同月18日公正取引委員会が組合に立入検査。
同月28日組合トップである高見澤秀茂理事長が長野県知事に事実確認ができなかったという趣旨の中間報告書を提出したが、長野県側は再報告を要求。
6月30日組合の第三者委員会が、「組織的に価格調整が行われていた」旨認定する報告書を公表。組合も黙認していたとして、幹部刷新などの再発防止策を提言。
7月28日組合は、長野県に対し、独占禁止法違反行為が一部あったと認める。
もっとも、組合本部は、違法性を認識していなかったなどとして幹部刷新を検討事項とした。
9月2日長野県の再報告要請に対し、組合は「違法行為を放置するという意味での黙認はしていない。」などと組合本部の関与を改めて否定。
11月26日公正取引委員会が、組合北信支部の独占禁止法違反を認定。同支部に対して排除措置命令、関係事業者に対し課徴金納付命令を出す。
組合本体も事実上容認していたとして法令順守を申入れ。
12月18日高見澤秀茂理事長が辞意を表明


公正取引委員会の発表によると、組合北信支部は遅くとも、2024年12月16日から2025年2月4日頃、大半の加盟事業者に対し、ガソリンスタンドで販売するレギュラーとハイオクのガソリン価格の上げ幅や下げ幅と改定時期を電話などで伝えていたとのことでした。

なぜ問題とされたのか

今回問題となっている長野県石油組合北信支部の行為について、公正取引委員会は独占禁止法 8条 1号違反があったと認定しています。

独占禁止法 8条 1号を見てみると、「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること(をしてはならない。)」と規定しており、ここでいう「競争(を)の実質的に制限」することという意味は、「競争自体が減少して、特定の事業者又は事業者集団がその意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量その他各般の条件を左右することによって、市場を支配することができる形態が現れているか、または少なくとも現れようとしている程度に至っている状態をいう。」と解釈されています。


本件では、北信支部は、その支部員(長野県石油商業組合北信支部に加盟している会社)内で、ガソリン等の価格の改定額やその改定時期などを調整して決めていたということですから、上記解釈のとおり、まさに北信支部内でガソリンの価格やその価格改定時期などを自由に決めることでガソリン市場を支配していたといえ、独占禁止法8条1号に違反する行為を行っていたものと評価できます。

おわりに

我々の生活は、店舗(会社)同士における健全な競争が行われ、我々が必要なものを他店と比較しつつより経済的に購入することで、一定程度豊かにすることができるものといえます。


今回の長野県石油組合北信支部の行った行為は、そのような健全な競争を大きく阻害するもので、我々消費者に与えた影響は決して小さいものではなかったといえるでしょう。

この問題は単なる過去の不祥事ではなく、我々が普段「仕方ない」と受け入れている価格や慣行が、本当に公平なものか考えるきっかけでもあると思います。

執筆弁護士について

弁護士 髙見澤 周吾

髙見澤 周吾(たかみざわ しゅうご)

弁護士法人一新総合法律事務所 
弁護士

出身地:長野県埴科郡坂城町 
出身大学:中央大学大学院法学研究科修士課程修了

2004年に裁判所事務官として採用された後、裁判所書記官、裁判所主任書記官を経て、2024年1月に弁護士登録をした後、長野事務所で勤務。
依頼者の方のお話を親身になって聞き、そのお気持ちに寄り添った解決方法を一緒に模索していきたいと思っています。

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